福島原発・放射線量安全基準・内部被曝考慮されていない

by ihst | 3月 30th, 2011

 福島原発事故は発生以来20日を経とうとしており、なお予断を許さない事態にあります。相変わらず後手後手の対策のように思われる状況があります。いったい誰が全体を把握しているのか、システム的・体制的に疑問を持たざるを得ません。もてる科学的技術的力を全国レベル、国際レベルで発揮・動員するには、ひとつには福島の全体システムをきちんと把握するとともに、もう一面では科学者・技術者を東電に限定せず有効に動員する体制を作る必要があります。両方ともに事故隠しをしたり批判的科学者を無視し全体的な検討を怠ってきた東電の力を超えた事態が、福島原発のサイト内外において出現しているという認識をきちんと持つ必要があると考えます。
 この間の放射線量の人体影響についても、被爆者認定を求める訴訟で敗訴した国側の弁護をした「学者」が、訴訟では学問的に負けているにもかかわらず、堂々とテレビで「解説」しているようでは、現代の科学水準をきちんと国民に「還元」し、事故対処にも、日本の持てる力をすべて動員してあたっているとはいいがたいのではないでしょうか。日本原子力学会の「異常事象解説チーム(チーム110)」によるマスコミ体制も、そもそも初期の意図の枠組みが制約して一方的な「専門家供給」体制になっていることから、客観的な解説者が「テレビに出」にくくすることに結果的に荷担しているのではないかと思われます。
 ICRPに依拠する安全基準だけでは、内部被曝問題が考慮されていないという沢田正二名古屋大名誉教授の記事が東京新聞3月29日に掲載されています。(←クリックしてください)
(この項、文責kmt)

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