飛び散った放射能は東電のものではない!?

by ihst | 11月 24th, 2011

3.11東電福島第一原発から飛び散った放射性物質は各地を汚染しているが、この放射性物質は「東電のものではないので、東電は除染義務はない」と主張しているそうだ。2011年11月24日の朝日新聞は、連載「プロメテウスの罠」で、二本松市サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部が東京電力に放射線物質による汚染除去の仮処分を求めて東京地裁に申し立てた顛末を報道している。
 これによると、東電は、「原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。したがって東電は除染に責任を持たない。」(かりに)「所有権を観念しうるとしても既にその放射性物質はゴルフ場の土地に附合しているはずである。つまり、債務者(東電)が放射性物質を所有しているわけではない。」
 事故後の清水社長以下東電関係者の人ごとのような事故説明に多くの怒りが集中したが、要するにこういう論理だったのか、と改めて東電の無責任さを認識した次第である。
 汚染物質を他人の土地に廃棄し、既存の廃棄物と区別できないから自分のものではない、とか、工場から排出された粉塵煙類は空気と混ざっているから自然物だ(=自分のものではなくなった)なとというめちゃくちゃな「論理」は、過去のひどい公害の歴史の中でも見られなかったもので、市民的常識をまったく欠いたものであるといわなかればなるまい。
 東京地裁は、この仮処分は認めなかったようであるが、これも、「本裁判で争え」 ということかもしれないが、被害者がいったん被害を受けるといかに困窮するかという実情を理解しない裁判官が多すぎる。ことの顛末は不聞につき、明日以降の取材連載を見たい。
////////////////////////////////////////////////////////////////////// 続 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////
続報のアップが遅れましたが、今日12月9日フォローです。
 朝日新聞では、すでに11月25日に、裁判所の判断が紹介されている。
曰く「除染の方法や廃棄物の処理の具体的なあり方が確立していない現状で除染を命じると、国の施策、法の規定、趣旨等に抵触するおそれがある」「事故による損害、経済的な不利益は、国が立法を含めた施策を講じている」と。
 朝日記事は、これに対して「ゴルフ場側は、国や東電が対応してくれないから裁判所に訴えるしかなかったのだ」と裁判所jの根本的機能について指摘しているが、まったく、このような裁判所の責任放棄はなんと評したらいいのだろうか。市民社会における裁判機能が喪失していると言わざるを得ない。原発立地に当たっては、(伊方など)原発の立地などの高度な政策は、、住民の危険性の指摘を無視し国に判断を任せるべきだと,自らの判断を放棄したが、このようなスタンスで、今度は事故被害に対しても、国がするに任せよ、と言う。これでは、法の保障する「生存権」をはじめとする国民の権利はなきに等しく、国民は国に生殺与奪を任せよと言うに等しい。
 東電の「飛散した無主物」への責任はないとする、なんとも無責任な言い分に対しては、インターネット上では、「これでは隣家に汚水を捨てても責任は問われない、めちゃくちゃだ、(これでは)公害・環境問題はないということだ」という類の批判が猛烈に飛び交っている。当然であろう。
 事故初期に「東電の社員は今命を賭して事故対応に奮闘している・・・私は東電の社員であることを誇りに思う」と敢えて公言した人がいて注目を浴びたが、この人は、今も誇りを持っていると言えるであろうか。問うてみたい。

Comments are closed.

科学・技術(史)最近の動き

ブログロール