原発コスト計算・事故を見る立場

by ihst | 11月 24th, 2011

新しいエネルギー政策策定作業の一環として、原発コスト等の検討が、「エネルギー環境会議のコスト等検証委員会」で行われている。先日11月15日に第4回会合が開かれたようですが、ここでは、原発推進側が相変わらず、事故を無視した立場からの主張をくり広げているようです。Videonews.com がこの記録を流しています。http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002158.php
ここには、映像もありますが、この会議の状況について、次のように紹介されています。
・・・・・紹介(1)・・・・・
「ニュース・コメンタリー (2011年11月19日)
エネルギー関連有識者会議続報
架空の未来を前提とした議論で溝埋まらず

 今週もエネルギー政策に関連した識者の委員会が2つ開催されたが、相変わらず原発推進派と脱原発派の間の溝は埋まっていない。
脱原発や発送電分離を主張する識者たちが現実的な数字を前提とする議論を主張するのに対し、原発推進派が福島の事故は異例中の異例のものなので、これを前提に原発コストを算出することに反対しているからだ。
 今週15日には、エネルギー環境会議のコスト等小委員会の第4回目の会合が開催され、原発のコストが議論されたが、原発推進派の山名元京都大学教授らが核燃料サイクルが機能していることを前提とした議論を展開していることに対し、立命館大学の大島堅一教授が異論を呈するなど、相変わらず議論の前提が咬み合わない状態が続いている。
 また、今回の福島第一原発の事故の損害額の算定をめぐっても、すでに確定している金額だけをコストに含めることを主張する推進派に対して、将来確実に生じる損害の推定額も含めるべきとする慎重派の対立は依然、解消していない。」
・・・・・紹介(2)
「識者委員会が原発コストをめぐり対立
エネルギー環境会議のコスト等検証委員会第4回会合

 福島第一原子力発電所の事故を受け、新しいエネルギー政策を策定する作業が進んでいるが、その一環として行われている電源種別の発電コストを検証する識者の会議が15日開かれ、原発のコストの試算をめぐり意見が対立した。
 この日開かれたエネルギー環境会議の第4回コスト等検証委員会では、原子力委員会から今回の事故によるコスト上昇分を1キロワット時当たり1.6円とする試算が報告された。これに対し、大島堅一立命館大教授は除染費用が過小に評価されているとしてし、コストの見積もりを引き上げるよう求めた。
 大島氏らの反論にもかかわらず事故コストをキロワット時あたり1.6円とする案が検証委の答申で採択されれば、政府がこれまで原発の発電コストとしてきた1キロワット時あたり5.3円に、今回の事故コスト分の1.6円を加えた6.9円が、原発の発電コストとして認定されることになる。しかし、大島氏らはそもそもこれまでの政府の原発コストの試算も、揚水発電や土地の収容費用、使用済み核燃料の処理コストなどが含まれていないため、安すぎると反論している。
 また、今回の事故費用の試算には、今後広い地域で健康被害を受けた被害者たちが起こすことが予想される損害賠償請求の賠償金額も、含まれていない。
 除染コストについては、政府が5ミリシーベルト以上の地域の除染費用を約1兆1千億円と見込んでいることから、今回の委員会の事故のコストにもその数値が含まれているが、この試算には5ミリミリシーベルト未満の地域の除染費用や汚染土の貯蔵施設の建設費用などは含まれていない。事故コストを試算する原子力委員会の原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会では、事務局が事故の賠償コストを3.8兆円と提示したことに対し、一部の委員が反発。委員の一人伴英幸原子力資料情報室事務局長は、事故コストは48兆円にのぼるとの試算を提示したが、最終的に委員会が3.8兆円案を採用したために、今回のキロワット時あたり1.6円という数字が決まった。
 検証委では11月25日に再度原発コストを議題に議論を続ける予定。」情報提供Hnkw

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