by ihst | 5月 21st, 2014
日本国憲法第9条が平和の維持に貢献していることについては多くの認めるところであり、この9条にノーベル平和賞を与えて欲しいという運動が進んでいます(受賞者は日本国民)。そして、今年度2014年度の受賞候補にノミネートされたということは、マスコミでも報道されています。
ただ、9条関係では、実は、10年前にノーベル賞受賞者大江健三郎氏など9人の呼びかけ人によって始められ、多様で他分野に広がって運動が展開されてきた「9条の会」も、同じようにノーベル平和賞にノミネートされています。
以下、ことの次第を簡単に。
昨年から今年1月にかけて、神奈川県の一女性によって始められた「憲法9条にノーベル平和賞を」運動は、具体的にノーベル平和賞委員会(ノルウエー)に推薦出来る人は推薦してもらうという依頼に入り、推薦資格のある筆者(木本)にも、上記運動参加者から依頼されました。木本は、快諾したのですが、同時に上記運動では、万一(!)受賞の際には、授賞式には、受賞者「日本国民」の代表として安倍首相が行くということには違和感を覚えました。これまで一貫して、9条を改変しようとしてきた彼が、授賞式で「積極的平和主義の時代だから、今や集団的自衛権で9条も新時代に入る」などと、9条をねじ曲げる演説を国際舞台でぶつのは、9条に泥をぬるようなもので到底容認出来ないと思うからです。
そこで、木本としては、上記運動にも賛同するが、同時に、9条を破壊しようとしているものから9条を守ろうという運動を実質的に行ってきた「9条の会」を推薦するのが普通のやり方だと思った次第です。上記「憲法9条にノーベル平和賞を」運動を妨害することにならないかということについては上記事務局の人とも十分相談し、大丈夫だということで、2014年1月末に「9条の会」の推薦状を作成、ノルウエー・ノーベル委員会に提出しました。
今年4月、ノルウエー・ノーベル委員会から木本宛に「、推薦状は受け付けられ、ノミネートされた。」という通知を受け取りました。この通知文は、冒頭紹介の「9条にノーベル平和賞を」実行委員会に宛てられた推薦受付受理の文面とそっくり同じで、つまりは今年の平和賞にノミネートされた278のすべての団体に同じ文面が発送されているもののようです。
以下、通知文全文はここをクリックして下さい。
なお、9条関連が受賞ということになれば、自然系のノーベル賞からみれば、複数団体が同時受賞ということになったり、包含関係を考慮されたり等の調整があると思われますが、あとは選考委員会の調査・作業になることかと思われます。